ブラミツイワ01-社務所03

ブラミツイワ01-社務所03

ブラミツイワ第三回は「上棟祭」です。

 


 

建築に伴う祭事の2大巨塔「地鎮祭」と「上棟祭」。

他にも、竣工祭・新宅祭という祭り、また解体の際の「解体清祓」なんてものもありますが、また機会があったらぜひ詳しくレポートをしようと思います。

 

さて、ではまず、今回は「地鎮祭」と「上棟祭」この二つの関係性を少し紐解きたいと思います。

 

地鎮祭とは?

ブラミツイワ01-社務所」で紹介しましたが、古くは「とこしずめのまつり」と言われ、その土地の守り神である産土大神(うぶすなのおおかみ)、大地を守護する神である大地主大神(おおとこぬしのおおかみ)、土を守護する神である埴山姫大神(はにやまひめのおおかみ)をまつり、工事の安全を祈願するお祭りです。

 

そして今回は上棟祭(じょうとうさい)

上棟祭とは、「棟上(むねあ)げの祭り」で、単に棟上げ、または建て前ともいいます。このお祭りは、基礎工事が終わって柱が立ち、棟木(むなぎ)を上げる段階になって行われる大切なお祭りです。

おまつりする神様は、地鎮祭と少し顔ぶれが異なり、その土地の守り神・氏神さまである「産土大神(うぶすなのおおかみ)」、家屋の守り神である「屋船久久遅神(やふねくくのちのかみ)・屋船豊受姫神(やふねとようけひめのかみ)」、工匠(大工)の守り神である「手置帆負神(たおきほおいのかみ)・彦狭知神(ひこさしりのかみ)」をおまつりします。

 

この祭りの起源は平安末期から鎌倉初期と言われており、棟上げまで建築が進んだ感謝の気持ちと、棟木を支える柱をしっかり押さえ崩れ傾くことのないようにと祈る。そして無事竣工に至れるようご加護を祈願するお祭りです。

 

今回はそんな、まつり(神事)の様子と出来上がった棟を見ていきましょう!

 


 

上棟祭は修祓(しゅばつ)から始まり、祝詞奏上(のりとそうじょう)という、上棟祭を行う主旨を、神職が神さまに申し上げる儀式を行い、上棟祭一番の見所(?)「上棟行事(じょうとうぎょうじ)」へと繋がっていきます。

 

上棟行事ってどんなことをするの?

地方や宗派などで様々なことを行いますが、今回は比較的ポピュラーな引綱の儀と槌打ちの儀を写真に納めています。

 

「引綱の儀」

 


 

工匠長二員屋上に進み、南に向かって一礼。

引綱の先端(右左)を執って宮司右綱、遷宮委員長左綱、以下遷宮委員右、左のわかれ、綱を執る。

 

工匠振幣を執って、振幣の一に著き、屋上の方に向かい、幣を左右左と振りながら「エイ、エイ、エーイ」と唱えて、弊を左方に高く上げる。

 

屋上の工匠二員は、その声に応じて「オー」と答える。

その応声を聞いて、遷宮委員は「エイ、エイ、エーイ」と唱えながら三度綱を曳く。

以上の所作を繰り返して行うこと総て三度。

 

この儀、終わって屋上の諸員はなお屋上に留まる。

 


 

なんだか、儀式っぽい所作の説明ですね。

引綱の儀とは?

みんなの力で綱を引っ張って棟木を持ち上げるのが引綱の儀式です。

今でこそ重機があり、作業が機械化しましたが、昔の日本建築は人力です。

昔とまったく同じようにとはいきませんが、現代版に変化した棟上げの儀式です。

 

「槌打ちの儀」

 


 

渉二員木槌を執って棟木前にて一緒に一礼、

工匠長振幣の位置に著き、屋上に向かい、幣を左右左と振りながら「千歳棟(せんざいとう)」と唱えて、幣を左方に高く上げる。屋上の工匠二員は、その声に応じて、「オー」と答え、棟木を打つこと一度。

以上の所作を繰り返して行うこと総て三度。

 

但し振幣役は二度目は「万歳棟(まんざいとう)」と唱え、三度目は「永永棟(えいえいとう)」と唱える。

 

この儀、終わって屋上の諸員復席、遷宮委員復席する。

 


 

槌打ちの儀とは?

上げた棟木を祈りを込めて叩き納めていくのが槌打の儀。

千年万年もそして永遠に建物が持つように祈りを込める儀式です。

引綱の儀・槌打ちの儀共に日本の建築信仰に対する奥深しさを感じられる儀式ですね。

 

そして、後半に差し掛かり「上棟祭」で最も大切なものが「奉鎮祭」。

「棟札(むなふだ)」と呼ばれる将来のための記録になるもので、後日、造営の日時や関係者などを知ろうとする場合、最もよい史料となります。古来より、建物の記録を残すために用いられてきました。

 


 

後世への記録として、建物を文化的・技術史的に理解する有力な史料となります。

棟札の表には「奉鎮祭」、祭神名(神さまの名前)、家屋名を墨書きし、裏には上棟祭を行った年月日、奉仕神職名、関係者の名前などを墨書きします。

 

さて、神事が終わっていよいよ本格的な建築の全貌です。

皆様はお気づきでしたでしょうか?

ブラミツイワ01-社務所02の最後にも写真を掲載しましが、今回の建築は日本建築に鉄筋・鉄骨で挑戦する異色の建築。

 


 

外周柱・梁・垂木に至るまで、全て鉄骨で組み上がっています。

ここからいよいよ、足場が組まれて、屋根工事が始まって、内部の工事が本格化していきます!

骨組みから異例の社務所ですが、内部構造もびっくりなことが待っている!?

 

続きは次回に!

また来年もひきつづきミツイワ建設ならびに 「ブラミツイワ」をよろしくお願いいたします!!

 

つづく
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