そんな発想なかったわ 12
6月某日。
西尾市の市長選挙・市議会議院選挙が行われた6月末。
西尾市は若手新人を選び、新しい改革が始まろうとしている。
また、都議会議員選挙で自民党が歴史的敗北を喫し、小池知事率いる都民ファーストが大躍進をする。
西尾市のような小さなコミュニティから、首都東京。
そして、政界各国でも各国の首脳、派閥が大きく変化する中。
私たちそんな発想なかったわ実行委員会も新たなる改革の風を吹かせるべく集結した。
I「どーもご無沙汰しております。」
この日は久々にI氏も参加し、三人での会議が行われた。
Y「今日はどうするね?」
S「とりあえず、素人と営業が進めた内容が設計士にとって納得行くものかどうかをジャッジメントしてもらう方向で、見直していったらどうでしょう?」
Y「そうだね。とりあえずその辺の評価を仰いで、改善するところは改善して、一度再集形にしようか」
I「よーし! じゃぁ、熟読しちゃうよ!! けっしてここ数回の更新に目を通していないわけじゃないからね! 熟読しちゃうよ!!」
。。。
。。。。。。
。。。。。。。。。
そして30分経過。
I「うん。なるほど。 いいんじゃないかなぁ? 特にこれはちょっとーってのはないよ
前回の、照明も面白いんじゃないかな?

普通に提案するって考えるとPanasonicとかの大手メーカーの照明に偏っちゃうからね。
それを考えるとこれは結構面白いと思うよ。
ベッドルームのタコみたいな照明も面白いし。
廊下のスポットも今流行りの感じだよね。
一見、統一感がって思うかもしれないけど、僕は部屋の中は統一感があった方がいいと思うけど、家全体で見たときは統一感があった方がいいって考え方は、違うと思ってるからね。
だって飽きちゃうもん。
どの部屋も同じ雰囲気って。暮らしててもきっと退屈だからさ。
それに、家全体に統一感をって言い出したら、それこそ近代日本家屋って和室と洋室があってって空間だから、スタートラインから統一感なんてないしね」
I氏がいつになく真面目に、饒舌にそう評価を下した。
その言葉に、Y氏もS氏もホッと肩をなでおろした。
34坪の空間(建ぺい率60%)に核家族(夫婦+子供一人)で想定した今回の企画。
将来設計も見据えた、子供部屋の空間仕切りアイデアや、別々のことをしていても空間を共有できる吹き抜け設計。
そして、緊急降下ポールや、小型エレベーターなど、普通じゃないアイデア満載の住宅デザインは、とりあえずの終着点にたどり着いた。
Y「全員、不満なしでオッケーってことで、次の展開はどうしよう?」
I「そうだね。ミツイワ建設が考えるアイデア住宅はこんな感じになりましたって、提案はこれでOKとして、次の展開だよね。」
S「そりゃ、やっぱりよりリアリティある提案とするなら見積もりの提出じゃないですか?」
Y & I「見積もりかぁ〜」
Y氏とI氏が声を揃えた理由は、S氏にもだいたい見当はついていた。
だいたい20坪の建ぺいで建てる住宅。
土地の価格を平均で見ると、750万。
建物は狭小住宅の場合割高と言っても、1500万前後が理想といったところが、ユーザーが理想と感じる住まいづくりではないだろうか。
そう考えると今回の家は

エレベーターがあって。。。

壁面緑化やら。。。

システムキッチンも見た目重視にしたり。。。

床材がスクラッチ加工だったり。。。
と、何やらいろいろ盛り沢山としてしまった。
S「参考までにお聞きしますが、お二方の予想金額って?」
I「3200万くらいかなぁ」
Y「3400万くらいかなぁ」
S(あぁ、やっぱり3000万超えるって思ってるんだ。)
S氏も実は、見積もりというステージを想定した際に、これ3000万超えるんじゃないかと思っていたのだ。
実際には4000万に届くぐらいになってしまうのではと思っていたほどだ。
S「一度、しっかり現状の見積もりを把握して、そこからどれくらいの削減が可能なのかも視野に入れないといけないですね。」
面白さを残しつつ、ユーザーがこの価格でこの家なら欲しい!
そう思ってもらえる、住宅になるような提案こそが今後の課題となりそうだ。
つづく